徹底解説!松浦健太郎著「StanとRでベイズ統計モデリング (Wonderful R)」を読む会

セラクの「みんなの情熱大学」では最新テクノロジーや先端領域にかかわるセミナー等、イベントを運営しています。専門領域を超えて議論のできる仲間と出会い、ともに良くなる環境と学習機会を提供しています。


「みんなの情熱大学」で「松浦健太郎著「StanとRでベイズ統計モデリング (Wonderful R)」を読む会」講座を実施しました。


近年統計モデリングの手法を通じてデータを分析/活用することが盛んに行われています。その強力なツールの一つであるStanのチュートリアルが,松浦健太郎さんによって詳しく解説されています。その著書の詳細を解説する会になります。


 講師は、デジタルトランスフォーメーション本部の嶌田さんです。嶌田さんは数理科学博士(東京大学)を取得し、2016年4月から2018年6月の間、日本学術振興会特別研究員PDをされた後、データサエイエンティストとしてセラクで活躍中です。


▼確率密度関数

まずは確率密度関数の概念的なところから説明がはじまりました。X軸は何を定義するものなのか、その定義の証明を数学的に丁寧に解説していただきました。

30代の男性の身長のなかで無作為に選んだ、175センチから180センチの確率を図やグラフを交えながら解説しています。


概念的な説明だけではなく具体的な例を踏まえたうえで、詳細な解説をすることでより理解が深まりますね。ここでは確率分布とは確率を表す関数だと定義づけています。


▼同時分布と周辺化

嶌田さんは2つの異なる出来事をセットでみたときの確率分布が「同時分布」と解説しました。


次に同時分布はわかっていて、かつ2つのうち片方の情報を無視し、もう片方を求める方法について紹介しました。その操作を「周辺化」と解説しています。


ここで参加者から周辺化について改めて説明いただきたいと質問がありました。嶌田さんはそれに対して、真摯に受け答えをしていました。解説に納得するまで参加者は質問をして、メモを取りながら真剣に耳を傾けています。


▼条件付分布

「これは条件が定まっている場合の分布です。」これまで解説した内容をふまえながら丁寧に説明していきます。


セミナー参加者の多くが顎に手をあて、ホワイトボードを食い入るように見ています。その姿勢から皆さんの熱心さが伝わりますね。


▼最尤推定法

確率分布を知るために形を指定してそれを仮定として求める方法とのことです。

ここから特に難しい内容に入り、嶌田さんも2つあるホワイトボードをふんだんに使い、書いては反対方向のホワイトボードへ移動し、前の説明で記載した内容を消して、また新しく書きながら説明し、再度もう片方のホワイトボードを消して書くといった工程を何度も繰り返し、大学の講義さながらの光景です。


嶌田さんはこの方法は「いい加減な方法で決めているがサンプルNの数が多ければ多いほど本当の平均に近くなる」と述べていました。


前情報なしで聞いていた私は、サンプル情報が多くなればそれだけ正確になるロジックは方法論として素晴らしく感じました。しかしデメリット(問題点)も多くあり、そちらも詳しく説明していただけました。


▼ベイズ推定

ベイズ推定はStanの中で行われているものです。


ここは特に本題ということもあり、より詳細な内容を実践的な形で解説して下さいました。

セミナー参加者も嶌田さんがホワイトボードに記載した内容をスマホで撮影していました。会場は嶌田さんの声と筆跡音、撮影音だけが静かに響き渡り、集中して内容について考えているのがわかります。


会場は参加者が途中で手を挙げて質問するなど積極的に学び取ろうという雰囲気です。質問者以外の参加者も自分の理解が本当に正しいか確かめるように耳を傾け、頷いたり、内容をメモしたりしながら理解を深め、わからないポイントが紐解かれていく様子が見えました。


▼最後は待ちに待った乾杯!

懇親会では松浦健太郎著「StanとRでベイズ統計モデリング (Wonderful R)」を読んできた方々が語り合い、真剣に議論を重ねながら情報交換をしていました。


セミナーにて詳細に説明できなかった著書の内容についても皆さんで語り合う様子が実に有意義な時間であることを物語っています。

その他参加者より


「短時間でベイズ推定、MCMCまでまとめていて優れた講義でした。」


「機械学習やDeep Learning(深層学習)の初学者なので最近学んでいた所とリンクするところもあり理解が深まった。」


「少しあやふやだった所がわかったのでその点は非常に良かった。ただ元々全くわからない所は完全に理解できたわけではないので自習が必要だと思った。」


という感想を頂きました。

業務で使用される方もこれから考えている方も新たな解釈、内容の理解につながったと思います。


今後も「みんなの情熱大学」にご期待ください。

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