2018年6月12日(火)に開催された「スモールスタートで始めるWEBプロモーション講座」のレポートをお届けします。
今回講師を務めるのはセラクで8年間、WEBディレクターを務める江口。大手メーカーのIoTやVRなどの先進技術のWEBプロモーション企画・ディレクションを担当してきた江口が語る、WEBプロモーションの手法とは?
「スモールスタート」で中長期的な施策を実現する
江口がWEBプロモーション企画で常に意識しているのは、中長期な視点。短期的な施策を打ち立てると、その場限りで継続性のないものになってしまうと語りました。
「トレンドの移り変わりの速さ、短期的な予算組みにとらわれて、目標や目的を明確にしないままプロモーションをスタートさせてしまう例が多い。ビジネス的なゴールに対して、今回の施策がどんな影響を与えたのか、良し悪しを判断しにくい」
そこで、機能や範囲を限定して小さく始め、スケールアウトしていく「スモールスタート」という手法に辿り着いたそうです。
スモールスタートの実践プロセス
では、どうやってスモールスタートを実現させるのか。そのプロセスとして、4つのSTEPに沿って、具体的な事例も交えながら講義が進められました。
【STEP1】WEBにおける市場・ユーザニーズの仮説を立てる
【STEP2】購買決定プロセスモデルを元にWebプロモーションの枠組みを策定
【STEP3】KGIとKPIを策定
【STEP4】実施施策を切り出す(スモールスタートの定義を切り出す)
具体的な手法とは?講義内容を少しだけご紹介
講義内容を少しだけご紹介します。オープンデータとパーチェスファネルというワードが、スモールスタートを実現させる上でのキーポイントでした。
▼【STEP 1】WEBにおける市場・ユーザーニーズの仮説を立てる3つの手法
STEP1の手法として「オープンデータの活用」「ユーザーアンケート」「グループインタビュー」を挙げた江口。特にオープンデータの活用に力を入れるべきだと語りました。
「例えば、BtoB製品の購入プロセスにおける購買データを見てみると、担当営業経由よりインターネット経由での購入が明らかに多い。情報収集・商品選定の段階において、まずは営業にお問い合わせくださいという手法はもう通用しないことが分かる。」
オープンデータで得た情報を、ユーザーアンケートやグループインタビューにスケールアウトすることで、仮説の制度を上げていきます。
▼【STEP2】購買決定プロセスモデルを元にWEBプロモーションの枠組みを策定する
STEP1で立てた仮説を元に、WEBプロモーションの枠組みを策定。江口いわく、パーチェスファネルという手法を使った策定がベストだといいます。各フェーズごとに施策を立てやすく、WEBサイトのKPIに落としやすい最も効率的な手法だと語りました。
- パーチェスファネル -
認知 - 興味・関心 - 比較検討 - 購入という4段階のプロセス。これまでの購買決定プロセスまでのステップ =時間軸という視点が加わり、認知を最上段として購入に向かってターゲット層の人数が減っていく逆三角形で表現されるモデル
▼【STEP3】KGIとKPIを策定
プロモーションの枠組みを決めたら、KPIとKGIを策定します。
「KGIは、その部署やサービスが抱えるビジネス課題をベースにするのが良い。例えば、新規の商談件数が少ない場合、6ヶ月で企業担当者のアプローチ先を120件獲得するなどの具体的な数値を設定しておく。」
「KGIから逆算してKPIを設定する。管理するKPIは7つぐらいまでにしておく。」
- KGIとKPI -
KGI:Webサイトが最終的に達成すべき指標
KPI:目標達成するまでのハードル。
▼【STEP4】実施施策を切り出す(スモールスタートの定義を切り出す)
KGI、KPIをプロモーションの枠組み(パーチェスファネル)に落とし込むのが最後のステップになります。ユーザーターゲットを絞り、パーチェスファネルの各プロセスにおいて連動した施策を打ち出すことこそがスモールスタートだと語りました。
「予算を限定した施策や、限定した購買プロセスにフォーカスした施策では結果は出にくい。ユーザーターゲットを限定してスタートするのが”スモールスタート”。」
さいごに
講義後には懇親会を開催しております。参加者からは、自身の業務フェーズに直結した内容になっていたので大変参考になったと感想をいただきました。
講義内容はもちろん、担当領域に関する事であれば登壇した講師にご質問いただけますので、興味のある方はぜひご参加ください。
今後も「みんなの情熱大学」にご期待ください。
(写真・文:H.S@Web課 Webディレクター)
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